故人を心から送り出す環境を提供

今日、葬儀はこれまでの一般葬から家族葬、樹木葬、海洋散骨、宇宙葬、オンライン葬、直葬などと選択肢が広がってきた。こうしたさまざまなニーズに対応しているのが大の葬祭グループホールディングス㈱だ。話題になっているサービスは「そらメモリアル」で、亡くなったペットの画像やメッセージを人工衛星に送り、飼い主がスマートフォンを開けばいつでも見られる仕組み。衛星の位置情報も届き、ペットがいまどこを「宇宙遊泳」しているのかもわかる。川野晃裕代表(43歳)は「こうした顧客ニーズに柔軟に応じたり、葬儀の新スタイルを提示したりし、遺族の希望や思いにこたえる努力を重ねている」と話す。

川野代表はこれまで通夜・葬儀の運営を通じ、参列者の応対や雑用に追われて故人ときちんと向き合う時間を取れない遺族の姿を何度も目のあたりにしてきた。その経験から「遺族が故人に寄り添えるよう周辺の事務手続きや作業はすべて引き受けるフルサポートの態勢を組む」というのが同社の姿勢。そのために医療・介護従事者や弁護士、司法書士、ファイナンシャルプランナーとも連携し、相続相談のほか、遺品整理、古物売却、墓じまい、不動産仲介とトータルに支援している。遺族にとってはワンストップですむありがたい存在になっている。

川野代表は遺族との触れ合いのなかで記憶に残るひとつの逸話を紹介する。息子を若くして病気で亡くした母親が自責の念にかられているのを社のスタッフが気にかけ、母親の家に足しげく通い「ささいなことでもいいので毎日、仏前に語りかけてください」とアドバイス。「母親がそれをつづけたら、ある夜、息子の霊が枕元に現れ『、お母さん、ありがとう』とお礼をいったそうで、母親はそれを機に前向きに生きられるようになった」という。「遺族とのこうした関係性を築くことが当社のめざすところ」と話す。

 

ペットの宇宙葬も
はばたく中小企業・小規模事業者 300 社にも選出

10年後に総資産、売上100億円が目標

創業は川野代表の祖父。社名は旧大分県大野郡の地名から取った。川野代表は3代目にあたり、代表就任を機に「やわらかいイメージの社名にしたい」と「野」をひらがなに変えた。川野代表は4人兄弟の長男でもあり、3人の弟もいずれも同社の運営にかかわっている。現在、大分県内に10軒ある葬祭会館を来年には12軒に増やすなど順調に事業を拡大。2035年までに総資産、売り上げとも100億円を達成する壮大な目標を掲げる。

「葬儀は通過点」が持論の川野代表。「遺族が心から故人を送り出せる環境を提供し、遺族同士の関係性がより良好になる葬儀を心がけたい」と意気込む。

「遺族をフルサポートする」と話す川野代表
葬儀形式の多様化に対応

河村雄一郎さん
税理士法人河村会計 代表

大の葬祭グループは企業理念「想いを大切にする」のもと、個性あふれる4 兄弟で経営されています。顧客にとってより良いサービスは何かを追及し、アバター葬やそらメモリアルといった新しい挑戦にも積極的で、企業全体にチャレンジする文化が根付いています。理念だけでなく数字に基づいた経営判断も成長に繋がっており、国内外から視察に訪れる企業もあるほどで今後ますます成長が楽しみです。