全国9割の歯科医院で同社の治療器具使用
宇宙ビジネスの壁は厚く、高い。これ以上ない厳しい環境下で駆動させる人工衛星などには最先端の精密加工技術が要求されるからだ。それに応える技術力を誇るのが金属加工業の㈱サンテクノ。医療機器や精密シャフトの製造では群を抜く存在だが、人工衛星に関するセミナーに参加し、本格的に小型人工衛星の部品開発に乗り出した。そのセミナーで「米国の航空機・宇宙船の開発製造会社ロッキード・マーティン社の人工衛星用冷却パイプと当社の歯科治療機器が大きさも形もウリふたつであることを知り、これならウチにもできる」と西村真理子社長(66歳)。
大きさ、形ともに酷似していた機器は、細く曲がった棒のような形が特徴の「スケーラーチップ」。口腔内の清掃や歯周病の治療時に歯石・歯垢を取り除く歯科用具先端部だ。この機器が宇宙ビジネス参入のきっかけとなった。
同社は自動車メーター用精密シャフトの製造工場として創業。西村社長によると、「精密加工技術を生かし、釣り針やミシン針、脱毛針など極細の金属加工品にチャレンジし、創業5年後には歯科治療機器に参入した」そうだ。今やこの治療機器の売り上げが8割を占め、全国約8万軒の歯科医院のうち9割以上の7万5000軒で使われるまでに。昨年には金属にダイヤモンド砥粒を電着するダイヤモンドバー専用生産工場が完成し、生産能力は3倍になり、韓国のほか人口増で歯科医院が増えているインドネシアでの販路開拓も視野に入れている。
切削の難しいチタン加工技術を確立
特筆すべきは、機器先端部に極細の穴を空けて「中空構造」にするチタン加工技術。軽くて長寿命、華氏320度の温度にも耐えられる冷却パイプに転用できる技術だ。チタンは耐摩耗性や耐腐食性に秀でるが切削が難しいといわれ、それを小型人工衛星の冷却パイプにも応用できるという。
昨秋のいばらき宇宙ビジネス支援事業の補助金を受けて、難削材のチタン、純銅、インコネルの加工法をテストしてきたが、見事に今夏、その技術を確立。「海外企業から他社の倍額出すから専属に、との声掛けもあった」そうだ。「サンテクノの小型人工衛星の部品が宇宙を飛ぶことが夢」、西村社長のことばが現実になる日は近い。
㈱サンテクノ
茨城県行方市芹沢995番地1 TEL:0299-36-2511
設立:1992年 従業員:16名 資本金:1000万円
HP:https://suntechno3.jimdofree.com/
清水清人さん
㈱歯愛(シーアイ)メディカル社長
精密部品を作る技術に長けており、今は液晶になりましたが国産最高級車のスピードメーター針をつくっていたと聞いています。現在はその技術をさらに進化させ、口腔内の繊細な歯科医療器具に加工して もらい、当社もともに成長することができました。今後も繊細な精密小器具をつくることにこだわり、人工衛星やほかの領域にもその技術を活用していってください。これからも期待しています。
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