減産傾向も「品質上々」
ふるさと納税返礼も一番人気

鹿児島県徳之島の天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長・組合員数32人)で2022年度「天城町マンゴー」の出発式(町共催)が21日、同町浅間の豊田宏祐さん(68)のマンゴー園であった。発蕾(らい)期の低温など気象影響で、豊作だった前期産比では1~2割減の生産見込みだが「品質は上々」。鹿児島県内〝草分け産地〟の特産果樹の発進をアピールした。

同町でのマンゴー栽培は1985年、農家有志たちの栽培技術模索で始まった。町当局は高収益型新規品目に位置づけ、耐風ビニールハウスなど生産基盤施設導入事業でテコ入れ。以来、同品目の県内先進地域として〝けん引役〟を果たした。

町農政課(町農業センター)によると、栽培品種の主体は「アーウィン」(別名・アップルマンゴー)。今年の町全体の栽培面積は約5.5㌶(約50戸)で、うち熱帯果樹生産組合は約3.8㌧(32戸)。作柄は「2、3月の発蕾期の低温で開花・着果に影響」し、町全体の前期実績約(34㌧・約1億200万円)の「1~2割減産」の見込み。品質的には良好という。

「同町ゆたかなふるさと寄付金」(ふるさと納税)でもマンゴーは一番人気の返礼品。21年度は計1006件、寄付総額1億73万円を受け付けている。

出発式には関係者ら約40人が参加した。作山組合長(59)はあいさつで、台風などによる船便欠航・滞貨時の品質保持対策で町当局が整備した保冷庫やリーフレットの整備に感謝。森田弘光町長は「天城町への感謝で一番多いのはトライアスロン、次いで徳之島産マンゴーのおいしさに対するもの。今年も全国においしさを届けよう」などアピール。

来賓祝辞やテープカットなどに続き、郵便および宅配業者による島外への出荷を拍手で見送った。収穫は来月上旬ごろまで続くという。同町熱帯果樹生産組合(電話0997-85-4616)

2022年7月22日(奄美新聞)