近い将来に発生すると指摘されている南海トラフ地震に、首都直下型地震、そして地球温暖化による気象災害の大規模化や多発化など、自然災害が身近に迫っている。あらためて自然災害の脅威を正しく認識する必要性が高まっている。そこで今号では、地域紙が報道する各地の防災訓練や防災力の向上に向けた取り組みなどを集めてみた。注目したのは5月30日付の『日刊新周南』が取り上げたドローンを災害対策体制のなかに組み込んだ事例だ。ドローンが地区防災活動計画に本格的に導入される、その先進性を同紙の紙面から拾ってみた。
5月28日、周南市で周南市防災会議が開かれ、災害時の対応などを定めた「周南市地域防災計画」の修正を審議した。この防災会議には市の各部長、自主防災組織の代表、徳山海上保安部、陸上自衛隊、下関地方気象台などの関係機関代表、有識者、48人が参加した。そのなかで、今年度設置した「災害対策本部体制指揮統制部ドローン活動班」の通称を「ホークアイ」とすることが発表された。
6月12日には、大雨による災害に備え周南市、防府市消防本部などが土砂災害を想定した合同訓練を行い、この「ホークアイ」も初の実践訓練に参加。訓練では2次被害の防止を想定し、建物崩落や土砂監視のためにドローンが使用された。
市の防災危機管理課によると「周南市には山間部も多く、ドローンであれば孤立世帯や倒木の状況、通行止め情報などが確認できる」と話す。これまでは市で1台保有し、平常時の橋梁や圃場整備の点検に使用してきたが、今年度は2台追加で購入し、操縦士を育成し災害時に備えるとしている。
(2024年5月30日 日刊新周南)
日刊新周南
1985年創刊。山口県周南市、下松市、光市を主エリアとする。発行部数12000部。
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