製造 ・ 販売まで手がけ、 顧客の生の声を酌む
産業用はかりの製造ひと筋で55年の歴史を刻む㈱日本製衡所。主力製品は大型トラック・ダンプカーの重さを量る「トラックスケール」。床に設置した平面スケール(秤)の上に車が積み荷を載せたまま乗り、車と積み荷の総重量が表示され、それから車の重さを引いて、最終的に積み荷の重量を割り出す。
岩淵智宏代表取締役(50歳)によると、大小揃う豊富なサイズのなかでも、10tトラックの大きさに対応する縦8m、幅3mのスケールがもっとも需要があるという。その用途は過積載防止や積み荷価格算定のためで、採石、リサイクル業界を中心に納入実績を重ねる。
「規格品の製造もさることながら、顧客の要望に応えて設計するフルオーダーメイドにも力を入れている」と岩淵社長。自信作は「タイヤ洗浄機能付トラックスケール」で、車の重さを量ると同時にタイヤに付着した泥も洗い落とす。「採石場などでの作業車は泥が付着したタイヤが周辺道路を汚し、苦情の対象になる」ことから、計量とタイヤ洗浄を並行して行える製品を開発し、泥問題を解決した。岩淵社長は「世界でもオンリーワンの製品」と胸を張る。
日本製衡所は設計・製造だけでなく、販売・納品・アフターサービスにいたるまで一貫して自社で対応する。岩淵社長は「そうすることで顧客の生の声を直接聞くことができ、製品とサービスの向上につながる」と話す。その経営方針で生まれたのが「スケールの土台の薄型化だった」という。トラックスケールにはスケールを下から支える基礎が必要で、それが一定の厚みを持ち、設置コストに大きく影響を与えてきた。
岩淵社長は「顧客から『基礎を薄型化してコストを圧縮したい』との要望を受けて製品化し、コストを5分の1に抑えることができた」と話す。
オンリーワン製品でDXも見据える
と同時に最近、岩淵社長は一般消費者にも親しみを持ってもらおうと、企業キャラクターの制作を思いついた。「ウェブサイトを通じてイラストレーターの卵の皆さんに作品を募集したところ、予想を上回る250作が寄せられ、そのなかから1点を選んだ」という。
その名は「ニッコーマン」で、上皿はかりをモチーフにしたデザインに仕上がっている。はやくも同社のホームページにはニッコーマンが会社を紹介するページがアップされており、柔らかい企業イメージを醸し出している。
岩淵社長はデジタル化時代を見すえた構想も。「ただ重さを計量するだけでなく、積み荷価格の入金管理、請求書、領収書の発行まで対応し、さらにクラウドを活用して計量情報をいつでもどこでも共有できるシステムを構築したい」と、秤のDXに力を入れる。
㈱日本製衡所
埼玉県美里町小茂田560-1 TEL:0495-76-1231
設立:1971年 従業員:88名 資本金:1000万円
HP:https://www.nikko-scale.co.jp/
倉崎哲雄さん
(公財)埼玉県産業振興公社
経営支援部長
埼玉から世界へ産業用計量器を届ける日本製衡所。3代目岩淵智宏社長は「7つの行動指針」を掲げ、全社員をひとつに導く情熱的なリーダーです。5万社に愛される背景には、社長が貫く「とことん現場主義」があります。設計から保守まで自社一貫体制を整え、顧客の課題に泥臭く向き合う姿勢は、まさに社長の信念の表れ。ニッチトップ企業として、その強力な求心力で感動を生むモノづくりを牽引しています。
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