日本の研究力は3年つづけて13位、国も産業界も危機感‼
国際卓越研究大学は「科学大国ニッポン」を再生できるか⁉
日本の国際的な研究競争力の低下が問われている。かつて世界3位だった日本の「注目度の高い論文」のランキングは、3年つづけて13位と低迷。昨年、ノーベル化学賞を受賞した京都大学の北川進特別教授は「日本の研究はもはや世界の一線級にない」と危機感をあらわにする。産業界からは「高度な専門人材の需要が高まる一方で、その供給が追いついていない」と、悲鳴に似た声も聞かれる。日本の学術界にいま何が起こっているのだろうか。
*
東北大学は今年2月27日、東京駅にほど近いオフィスビルのイベント広場で、オープン・フォーラムを開いた。平日にもか
かわらず、延べ約2500人が訪れた。日本文学研究者のロバート・キャンベルさんと、お笑い芸人でタレントのパトリック・ハーラン(通称:パックン)さんがコーディネーターとなり、大学の若手研究者らと「語られる知」「見える知」をテーマにトークセッションを繰り広げた。東北大学が国際卓越研究大学(卓越大学)に選ばれてからオープンな場で初めて開く学外向けイベント。広報担当の同大学理事で副学長の張替秀郎氏は取材に対し「卓越大学の認定を機に大学発の発信力を高めていく。公的ファンドを活用して生まれる世界レベルの研究成果をこれから多くの人にアピールしていきたい」と述べた。
世界と伍する大学めざす
卓越大学は一部の大学に集中的に投資をして「世界と伍する(対等に渡り合っていく)研究機関」にしようと国がはじめた制度。東北大学が2024年に第1号に選ばれた。今年1月には東京医科歯科大学と東京工業大学が統合してできた東京科学大が2校目の認定を受けた。東京大学は不祥事がつづいたことで大学側のガバナンスの課題が指摘され、継続審査になっている。第2期公募で認定候補に選ばれた京都大学も26年度中に選ばれるとみられる。
国が新たにこの制度をつくったのには理由がある。日本の大学の国際的な研究力低下と世界から求められる論文数の減少に
危機感を抱いたからだ。「質の高いトップ10㌫の論文数で日本は3年連続で世界13位に低迷」―。昨年8月、マスコミ各社が伝えた内容に科学分野の関係者の間から落胆の声が聞かれた。文部科学省の科学技術・学術政策研究所は「注目度の高い論文」として引用された回数が上位10㌫に入る論文数(トップ10)を毎年発表している。それによると、1位は中国で、2位が米国、3位は英国だった。90年代前半に3位だった日本は、ここ3年は13位にとどまっている。
(つづきは本誌へ)


