地産地消の直売品が人気
木棚に映えるオレンジ色の照明や手書きのPOPが温かい空間を演出し、島野菜を手にした生産者とスタッフが笑顔でことばを交わす―。ここは、那覇空港から北へ車で約40分の漁港沿いにある複合施設「ぎのわんゆいマルシェ」内のハッピーモア市場トロピカル店。
㈲ハッピーモアが農産物やオリジナル加工食品などを販売しているファーマーズマーケットだ。献立や選び方を教えてくれる野菜ソムリエもおり、「生産者の顔」が見える安心安全な食材市場として年間60万人もが訪れる人気スポットとなっている。
「沖縄の野菜シーズンは12月から翌年5月前半の梅雨明けまでで、ほかのシーズンは本土から野菜を調達している」と話す多和田敬子副社長(62歳)。かつては県産品だけだったが、今や契約農家数は北海道から九州、沖縄まで1000軒以上。そのうち7~8割が県内生産者で、ホウレンソウやダイコン、ニンジンなど一般的な野菜から、黄金芋、ハンダマ(和名水前寺菜)といった島野菜、マンゴーやパインなどフルーツにいたるまでその大半が地産地消の直売品。
そしてリピート率トップの「完熟バナナケーキ」、レモンのさわやかな香りが絶妙な「レモンアンダギー」、大宜味村産の無添加「シークワーサーバター」など加工品も人気。なかでも「自家製フルーツ酵素入りスムージー」はフレッシュな野菜と希少なハーブを使った農家とのコラボ商品で、月間7000杯も売り上げる超人気ドリンクになっている。
安心安全のため、色で農薬使用状況を表示
このトロピカル店の開設は2021年2月。スタートは不動産会社として発足したハッピーモアだが、08年に多和田真彦社長(62歳)の実父が営むトマト農家のビニールハウスを再利用し、近隣農家の自家用野菜を「お裾分け」する農産品直売所・ハッピーモア市場本店を開いたのがはじまり。その後、ハウスの老朽化などで 21年11月にトロピカル店に本店機能を集約し、それを機にハッピーモアの経営方針を一転。
多和田副社長は集荷した野菜や果物のなかには不用意に農薬や化学肥料が使われているモノもあり、「徹底して安心安全な野菜、果物を提供しようときめた」そうだ。
象徴的なのが橙・赤・黄・緑・白の5色で農薬の使用状況を表示する仕組み。減農薬や無農薬のほか、乳酸菌などの微生物で土壌を活性化するEM農法など、野菜がどうやって育てられたか、食の履歴(トレーサビリティ)を明確にしたのだ。「安心安全のため、この仕組みを沖縄全島に拡げたい」と力を込める多和田副社長。「同時に生産者の生活安定と所得向上に取り組むことが次の世代につながる」と、持続可能な農業育成の一翼を担うとしている。
㈲ハッピーモア
沖縄県宜野湾市志真志1-1-2 TEL:098-988-9785
設立:1994年 従業員:約30名 資本金:300万円
HP:https://happymore.jp/
新里雅樹さん
沖縄県産業振興公社
㈲ハッピーモアは沖縄で人気 No.1 かつ唯一無二のファーマーズマーケットです。店を訪れるたび、スタッフの明るい声がけと元気な接客にいつも驚かされます。生産者とお客様をつなぐ場として、そして地域の食卓と笑顔を支える存在として、思わず応援したくなる企業だと、支援者の一人として実感しています。これからの沖縄の食文化を語るうえで欠かせない存在です。
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