袋のサイズや形状を問わない、小型包装機「パケッチ」

精密加工に定評があり、生産設備の設計・製造が主力事業のトラスト・メカ㈱。同社の真骨頂は「チャレンジ」精神にあると越後浩代表取締役(60歳)は話す。

1993年にプレス金型加工メーカーとして創業し、その翌年には自動化生産設備の設計・製作をスタートさせ、電子部品・自動車部品の組立装置や医療機器の分野に参入した。そして2年前、新規事業として食品工場での袋詰め作業を軽減する小型万能包装機を開発した。この包装機は低コスト・省スペースの装置とあって、北海道から沖縄まで食品加工業者を中心に商談が増えつづけている。

ところが、これまでは「受注による下請けが多く、なかなか自社の技術力をアピールする営業ツールがなかった。小型包装機はそのツールになった。今後は自社製品の開発と販売を拡大したい」と越後社長。当初、この小型包装機は取引先の開発相談に応えたものだった。好評につき2台目を受注してから「パケッチ」と名付け量産化に踏み切った。

商品投入口の円筒形ホッパー(充填管)がサイズに応じて交換できる「縦型」と、袋底部での押し潰れや型崩れを防ぐため横方向に資材がスライドして包装する「横型」などを用意し、カット野菜や魚といった農水産物をはじめ、菓子や衣料品、部品などどんな用途にも対応できるのが特徴。最大のメリットは袋のサイズや形状を問わないことだ。しかも電源は家庭用でOK、卓上で使えキャスター付きで移動もラク。この仕様がウケて、昨秋、開催された仙台での展示会「ビジネスマッチ東北2025」でも大人気で、何件もの商談がまとまったという。

昨年秋の展示会では縦型・横型のパケッチを紹介し、評判を集めた
上部のホッパーに商品を投入すると下部で袋詰めできる縦型パケッチ

チャレンジ精神で顧客が求める製品を開発

現在、この製品については担当者が、HPを通じてアクセスしてきた顧客のニーズに応え、実際に該当商品を包装する動画を撮って顧客にフィードバックしたり、ユーザー側にデモ機を持ち込んで使い勝手の良し悪しを検証したりしているという。それは「当社がPDCAサイクル(※)にこだわっているからだ」と曽根恵佑・包装事業部リーダー(39歳)。そのおかげでユーザーからは高評価をもらっているという。

最近も葉物野菜など、ふぞろいな商品も袋詰めできないかという相談に応えて、それに合う機能を考案中とか。「当社は設計力が強みで、加工、組み立て、制御まで行うオールインワンメーカー」だと越後社長、新たな事業開発に意欲を燃やしている。

※PDCAサイクルとは、計画を立案(Plan)、実践(Do)し、目標設定や計画策定後も適切に評価(Check)、改善(Action)できる循環型のフレームワークのこと。

「自社製品の開発と販売を拡大したい」と話す越後社長 (右)。左は内出覚会長
宮城県北西部の自然豊かな場所にあるトラスト・メカ本社工場

横田裕也さん
(公財)みやぎ産業振興機構
取引支援課

トラスト・メカ㈱のパケッチシリーズは、 FA 事業で培った現場のニーズを捉える提案力を活かし、本当に必要なスペックに絞り「低コスト・省スペース」を実現した包装機ブランドです。全国から包装機への問合せが寄せられており、高い注目を集めています。また、この包装機の開発を機に省人化案件を受注するなど、FA 事業との相乗効果も発揮されており、今後の事業拡大の可能性に期待を抱いております。