「地域物流と地産地消」学ぶ
奄美、徳之島、沖永良部の若手農家 中央青果など視察

奄美群島の農業青年クラブが一堂に会して親睦を深め、ネットワークの構築を図る「奄美群島青年農業者交流会」が23日、奄美市であった。参加者らは同市名瀬の市公設地方卸売市場などを視察、名瀬中央青果㈱や仲買人など市場関係者と意見交換を行ったほか、同市で地元産食材の販売などを行う「グリーンストア」の里綾子代表取締役社長の講話を聞くなどした。
交流会は、大島地区農業青年クラブ連絡協議会(児玉旭会長)が主催。同協議会のほか、徳之島、沖永良部島の農業青年クラブ連絡協会員や瀬戸内町の農業研修生、県大島支庁農政普及課職員ら約30人が参加した。

参加者らは、同市名瀬の大浜海浜公園で各クラブの紹介などを行った後、市公設地方卸売市場を訪問。名瀬中央青果の職員から、市場の取扱量や群島内の生産者などの出荷状況、流通のしくみなどについて説明を受けた。また、台風などにより島外からの入荷が途絶えた場合に備えて、野菜などを保管する冷蔵施設なども見学した。

同市場の2021年度の取扱高は5億8733万円で取扱量は1243㌧。うち、地場産品の取扱高は3億4334万円と全体の約6割を占めていることなども報告された。一方で、市場での取扱量は全体的に年々減少していることから、名瀬中央青果担当者は、市場の経営安定などを今後の課題にあげ、「品質の良いものは高値で取引される。できるだけ良質のものを、安定的に出荷してほしい」などと要請。児玉会長は「できるだけ地元の市場に出荷することで、地産地消につながるよう農家としても努力したい」などと話した。

知名町の花き農家、辻雄一郎さん(30)は「初めて市場を見ることが出来、仲買人など市場の人たちと意見交換できてよかった。もっと品質を高め、高値取引できる商品づくりを心掛けたい」などと話していた。

同市の市民交流センターであった講演会では、グリーンストアの里社長が、地元食材にこだわった販売や商品開発に取り組んでいることなどを話し「島の人たちに地元の食材を届けるとともに、奄美の食材を全国、世界に輸出することを目標にしている。農家の皆さんと協力して、奄美の魅力を発信し、島の経済発展につなげていきたい」などと話した。

(2022年8月23日 奄美新聞)