秋田県鹿角市議会の総務財政、教育民生、産業建設の各常任委員会が23日開かれ、当局が8月9日からの記録的な大雨による被害状況等を報告した。22日現在の被害額は農作物が1760万円、農業施設等が2億7419万円などで今後増える可能性がある。西山農免道路は大規模な崩落で一部区間が通行止めとなり、復旧は来年度となる見通しを示した。
農作物では水稲が10.67 ㌶で土砂が流入。WCS(稲発酵粗飼料)や大豆、ソバなどでも被害が確認され、計22.65㌶、1760 万円の被害が発生している。

農業施設等では農地3カ所、水路7カ所、農道5カ所、頭首工11カ所、ため池1カ所の計27カ所、2億7419万円の被害が確認されている。
建物被害は住宅の一部損壊2棟(花輪2)、床上浸水24棟(花輪21、十和田1、尾去沢2)、床下浸水54棟(花輪43、十和田3、尾去沢8)、宅地被害28カ所(花輪17、十和田7、尾去沢4)。地区別に見ると花輪が77㌫を占めている。
道路は市道90カ所、林道5カ所で路肩崩落、土砂流入などの被害が確認されている。通行止めは県道を含めて13路線、15カ所。
このうち花輪字用野目川向の西山農道は13日、長さ40㍍、幅6㍍、高さ7㍍にわたって崩落したほか、複数の箇所で倒木や土砂流入が確認され、通行止めとなった。倒木等を撤去した後、久保田橋―花軒田入り口間と神田―狐平橋十字路間は14日に通行止めを解除。用野目川向の崩落箇所周辺の花軒田入り口―狐平橋十字路間約1.6㌔は通行止めが続いている。
崩落箇所は10月に国へ災害申請し、来年度の復旧工事完成、全線開通を予定している。当局は「市民にご迷惑をおかけするが、早期復旧に努める」と理解を求めた。
このほか河川は10カ所で護岸決壊などの被害が確認された。上下水道施設は十和田末広の2カ所で配水管が破損し2集落で一時断水が発生。教育施設は花輪中でのり面崩落3カ所、グラウンド陥没、柴平小でのり面崩落が確認された。
委員が西山農道で多発している倒木の対策をただしたのに対し、当局は「アカシアなどが大きくなっている面もあり、事前の伐採で対応していきたい」との考えを示した。

(2022年8月24日 北鹿新聞)