栃木県市貝町と同町上根の惣誉酒造㈱は、初めて町内産の酒米を使ったオリジナルの日本酒造りを進めている。
サシバが繁殖する里山の豊かな自然に恵まれた町の米を100㌫使った地酒を町の活性化とPRにつなげたいと、町が昨秋、同社に醸造販売を提案し、実現した。
商品名は「サシバが安心して帰れる環境を保ち、町に関わる人が故郷を思って飲める親しみやすい名に」との思いから「惣誉 サシバの里帰り 純米吟醸」と同社が名付けた。
5月に、米の生産を担当する同町赤羽の飯田勝市さんと宇都宮大学生らが、酒米・五百万石の田植えを行い、9月4日に稲刈りを行った。飯田さんは「五百万石を植えるのは初めてで、生産経験のある農家に栽培の注意点などを聞いて回った。おいしいお酒ができれば」と日本酒醸造に期待を寄せている。
稲刈りには、町内の小中学生親子らも参加し、子供たちは初めての稲刈りに大喜びだった。惣誉酒造の専務・河野道大さんも参加し、「無事に良い酒米が収穫できて、企画が前に進み非常に楽しみ。故郷を思いながら出来あがったお酒を味わってほしい」と思いを語る。
収穫した五百万石の稲穂は町役場と道の駅サシバの里いちかいに展示してある。
公募したラベルデザインには73点の応募があった。9月中にラベルを決定し、受賞者表彰式は11月予定。純米吟醸酒は予約限定販売とし、12月から町内酒店等で予約を受け付ける。発売は、サシバにちなんで令和5年3月4日午前8時から。
売り上げの一部は寄付され、自然保護のために使われる。

(真岡新聞 2022年9月23日)