秋田県鹿角郡小坂町は7月中旬、山ブドウを使ったワインの全国コンクール、「日本ヤマブドウワインコンクール」の開催を計画している。ヨーロッパ系品種が主流の中で、山ブドウ系品種に特化したコンクールは全国で初めて。審査員には、世界に発信できる一流の専門家を予定しており、3月には関係自治体などと実行委員会を設立し、準備を本格化する。
 ワインの各種コンクールはヨーロッパ系が主流で、日本ワインJapan Wine Competition(日本ワインコンクール)ぐらいといわれる。
山ブドウ系のワインは北東北を中心に醸造されている。タンニンが少なくエレガントな酸味が特徴で愛好家は多いが、関係者によると、コンクールでは「その他」の部類に入るという。
 全国コンクールの開催を通して山ブドウ系ワインの認知度を高め、評価を確立する契機にしようという狙いが込められている。格調高く権威のあるコンクールにするため審査員の人選には特に気を使っており、「国内、世界に発信できる方々を招聘したい」としている。
計画によると、7月14、15、16の2泊3日の日程で開く。期間中はコンクールのほか、小坂町と同様に山ブドウ系ワインの醸造に力を入れている岩手県葛巻町を巡るワイナリーツアー、町民を対象にしたフォーラムを予定している。
3月には関係自治体などと実行委員会を設立し、具体的な実施計画をまとめる。
 全国のワイナリーは約400で、案内状の配布を予定している。細越満町長は「山ブドウ系ワインの特徴を評価してもらい、知名度の向上を図る機会にしたい」と話している。
町は、開催費用に充てるため、ふるさと納税の仕組みを利用したガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募っている。目標は500万円。9日現在で35人から53万5000円が寄せられている。募集期間は2月28日まで。「ふるさとチョイス」のGCF専用サイトで受け付けている。
(北鹿新聞 2023年1月10日)