沖縄県宮古島市平良の大浦湾で養殖されている海藻の「ヒトエグサ」(宮古方言・アーサ)の収穫が1月30日、始まった。大浦漁港では宮古島漁協アーサ生産部会(松原幸夫会長)が収穫したアーサをトラックに積み込んだ。昨年11月の長雨や日照不足の影響が懸念されたが、ほぼ例年通りスタートした。この日は、漁船1隻が収穫を行い約180㌔を水揚げした。

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らない宮古島産の乾燥有機アーサは、昨年12月に日本農林規格(JAS)登録認証機関から、アーサとしては全国で初めて認証されている。

宮古島でアーサの養殖を行っているのは同会会員8人で、今期は16㌧の種付けを行った。大浦湾は30㌧の養殖が可能な漁場だが、受け入れ先確保などの問題から、計画的に生産している。

JAS認定を受けたことでヨーロッパへの輸出も進めており、さらなる販路拡大が期待される。来年は20㌧に生産量を増やしていくことを計画している。

一方で加工場の生産処理能力が現在20㌧ということもあり、人の増員や設備の整備などの課題もあるという。

宮古島漁協の下村貴浩さんは「養殖網に種付けし沖出しした時期の長雨と先週のしけでアーサの成長に不安があった。生産者の皆さんが網を洗浄したり、漁場を手入れしてくれたおかげで、無事に収穫が始まり安心した。収穫量は減る可能性はあるが、品質は良いと思う」と話した。

アーサはみそ汁や天ぷらが一般的だが、最近はパスタやピザの具材にも使われているという。収穫は2月に入りピークを迎える。

(宮古毎日新聞  2023年1月31日)