鹿児島県の奄美群島水産振興協議会(奥田忠廣会長)が主催する第28回奄美群島漁業振興大会が1月31日、奄美市名瀬の奄美観光ホテルであった。群島内から各漁協組合員、行政関係者ら約90人が参加。瀬戸内漁協女性部によるマグロなどの水産加工、魚食普及の活動事例や、不漁が続くシラヒゲウニに関する今後の取り組みなどを報告。4年ぶりとなった大会で、改めて水産業振興に向けた情報共有がなされた。

奥田会長はあいさつで「コロナ禍の影響は各産業に及び、ウクライナ侵攻で燃油、物価の高騰が続いている」とし「水産業も例外なく厳しい状況が続いている」と指摘。不漁が続くシラヒゲウニについては、瀬戸内漁協で試験的に行われている「種苗=しゅびょう=生産」を踏まえ23年度までは同町で、24年度以降は、各漁協で取り組むとし協力を求めた。

事例発表した安倍美穂氏は「魚食で紡ぐ、食卓の未来~海の幸に、きゅら島への愛を込めて~」と題し、瀬戸内町産のマグロ、ニギウルメなど水産加工、魚食普及の各取り組みを紹介。加工品開発について、マグロの胃袋(ワタ)を生かした漁師食の販売や、家庭で調理しやすい商品の開発など、各取り組み事例を報告。魚食普及については事例として、料理教室などでの料理法の提案や冊子作成など挙げるとともに、漁協振興においてますます重要になると話した。

その他取り組み事例として瀬戸内漁協職員・栄陽樹氏が、20年から同町で開始した、シラヒゲウニの増養殖事業の進捗を報告。奄美群島の水産物直販や加工を行うグループ「いしょむんネットワーク」会長・徳田謙次氏からは、22年度地域振興推進事業として観光小冊子への掲載、Webを利用したPR活動などが伝えられた。

また、同大会では、各表彰が行われた。被表彰者は次の通り(敬称略)。

▽漁業貢献者の部 東善一郎(沖永良部漁協)▽技術改善の部 栄陽樹(瀬戸内漁協)▽永年勤続役職員の部 25年・米田みき(瀬戸内漁協)、23年・中田信幸(宇検村漁協)、22年・川島忠幸(瀬戸内漁協)、同・白間勇樹(名瀬漁協)、20年・西鉄也(奄美漁協)、10年・土濵裕二(同)

(2023年1月31日 奄美新聞)