(上写真)ウェルビーイングな暮らし方を提案するショールームには日本最大級の輸入機器が揃うキッチン体験ブースも

カーテンやロールスクリーン、チェアなど暮らしを彩るインテリア。国内でも多くのメーカー・販売店がひしめくなか異彩を放つのが、「北欧」をコンセプトに掲げ、ウッドブラインドを主軸に展開している㈱リホームだ。

11年前の会社設立時には楽天、2年後にはアマゾンに出店してネット通販を強化し、北陸から全国を席巻している。 同社のHPを開くと、会社・商品紹介はいうまでもなく、取扱商品の採寸や取りつけ方法から、カーテンに関する豆知識、熟睡する方法など「楽しさ」を前面に出した読み物が目に飛び込んでくる。そこからは、天谷成作社長(48歳)の「消費者との接点を重視したい」という思いと「新しいデザインや技術を取り入れようとせず、リスクはメーカー持ちというインテリア業界の構造に一石を投じたい」という思いが垣間見える。 天谷社長はもともと、実家のカーテン製造会社の役員だったが、その会社をリーマンショックによる経営悪化から立て直した段階で、「接客しないと売れないといわれていたオーダーカスタマイズ系の商材も、今後はかならず売れるようになる」と信じ、独立起業したという。そして「日本や欧米のデザイン、商品スペックなどにギャップを感じ、何とか後れを取り戻したい」と欧州の展示会に果敢に足を運び、知己を得ながら人脈を拡大。縁あってフィンランドのデザイナーに仕事を依頼できるようになり、北欧デザインやライフスタイルを〝輸入〟することに成功したという。 こうして、同社は製造から販売まで一貫して行うことで、ウッドブラインドなど窓回り品のオーダー対応をはじめ、家具やキッチン、収納のオプションなどカスタマイズ提案できる領域をLDK全体に広げてきた。そして「今後はただ家具を販売するのではなく、その人その人に合ったウェルビーイングな暮らし方の提案や発信を行っていく」と天谷社長。とくに家庭と仕事を両立したい女性向けに、ドイツなどの輸入機器を搭載したオーダーキッチンを中心とした開発をすすめているそうだ。

新事務所には自社商品の主力であるウッドブラインドをかけ、木漏れ日も演出
ブラインドやカーテンにとどまらず、全体のコーディネートなど「暮らし方」を提案していきたいという 天谷社長
天然木などを加工する「木工房」から新しいインテリア部材が生まれる
                          

同社は現在、本社の移転工事中だが、新社屋の1階フロアには300坪の新ショールームを備え、「健康で幸福感の高い」暮らし方を提案していくという。そして「リアルとネットの両輪をフルに活用し、住宅メーカーや設計士、庭師などの専門家ともタッグを組みながら、顧客ニーズに柔軟に対応し、個別の商品提案や全体のコーディネートなど『暮らし方コンシェルジュ』としての役割をはたしていきたい」と天谷社長は話す。その一環として、マッチング事業や事例紹介などの情報発信メディアも構築する方針だという。「まずは暮らしの側面から福井県民の幸福度を世界一にしたい」と語る天谷社長の思いは熱い。