三重県御浜町下市木のJA伊勢統一選果場で9月12日から、〝超〟極早生品種「味1号(品種=みえ紀南1号)」の出荷が始まった。最上級のものは「みえの一番星」のブランド名で、三重南紀みかんの本格的なシーズン到来を牽引する。

「みえ紀南1号」は三重南紀の温州みかんの中でトップを切って出荷が始まる品種。崎久保早生とサマーフレッシュを交配し、その種子を厳選したもので2008年に品種登録された。見た目は青くとも酸味の抜けが良く、爽やかな味が特長。露地栽培で9月中旬と、全国トップクラスの早期出荷ができる。

JA伊勢三重南紀地区では、温州部会が高品質栽培を目指し、樹の根本やほ場一面にシートを張るマルチ栽培を推進。高齢生産者の園地では部会員や若手生産者がマルチ被覆を請け負うなどしている。今ではマルチの被覆面積が味1号全体の約6割まで拡大。水分コントロールやマルチシートの反射で樹全体に日光を当てるなどし、高品質みかん作りに取り組んでいる。

今年の糖度は平年並みで、酸抜けがやや早い。玉肥大の遅れが懸念されたが、直近の雨で伸びてきたという。出荷作業が始まった統一選果場では、14日の初売りを控え熊野市、御浜町、紀宝町から持ち込まれた柑橘を選別。9月下旬までに中京圏や県内を中心に約900㌧の出荷を見込んでいる。

また、「味1号」の中でも糖度10度以上、1・1以下等の基準を満たし、外観が良好なものを選別したものは「みえの一番星」のブランド名で出荷。一番乗りでの出荷するにふさわしく、すべてのみかんを牽引する力となるようにとの願いを込めて、鈴木英敬代議士が三重県知事時代に命名したもの。

吉野熊野新聞 2023年9月12日