2024年最初となる1月の大島地区子牛競り市は10日、奄美市笠利町の奄美大島家畜市場(瀬戸内市場と笠利市場を統合)で行われた。総平均価格は前回(昨年11月)を3万3000円上回る49万4000円となり、来島した購買者からは「子牛生産地として大島地区は曽於地区などと同様、県内を代表する大産地」として期待する声が挙がった。

初競りでは県本土などから来島した購買者や生産者を前に、地元自治体を代表して竹田泰典町長があいさつ、「昨年の子牛価格は、国際情勢の影響に伴う濃厚飼料の高騰、牛肉需要の低下などにより平均価格が落ち込み、畜産経営は厳しい状況が続いている。行政としても関係機関と一体となって畜産農家の経営支援を行っていきたい。今年は辰年。昇り龍のごとく、子牛価格もどんどん上昇して、奄美大島市場で活発な取引がなされることを期待したい」と述べた。

JAあまみ大島事業本部による初競りを祝福しての乾杯もあった。

大島地区では南から北へと与論、沖永良部(2日間)、徳之島(同)、奄美大島、喜界の5市場で子牛競りが行われている。競り落とし購入している㈱小川農場(指宿市)の小川優会長は「大島地区ではサトウキビと畜産の複合で子牛生産が可能。以前は血統が悪かったが、現在は改善され血統が良く、発育もいい。ここ1、2年の相場は、中間は安いものの、全体的には他地区に比べいい値段となっている」と指摘し、「大島地区の牛は太っておらず、体の伸びなど楽しみな牛が多い。生産農家のみなさんは餌代などコスト高で経営は厳しいと思うが、我々は期待しており、頑張っていただきたい」と語った。

JA県経済連肉用牛課奄美市駐在のまとめによると、同家畜市場初競りへの入場頭数は前年より15頭少ない180頭で、全て売却。総売上金額は8901万2000円となり1億円に届かなかった。性別は、雌の平均額が42万2000円、最高は57万9000円。去勢の平均額は54万円、最高は76万6000円となった。

(奄美新聞   2024年1月10日)