■世界的にも発展、成長が期待されるジャンルで実績を積む
東日本大震災による原発停止で脚光を浴びた太陽光や風力などの再生可能エネルギーや蓄電池。その電力供給システムの「電源装置」を専門に開発しているのが㈱YAMABISHIである。得意の蓄電システムに加え、太陽光と蓄電池による自家消費を最適化する制御技術「SmartSC」(特許取得)を開発し、海老名工場(神奈川県海老名市)で社内運用をはじめた。経済産業省が参考値としている2050年の再エネ化率50%を現時点でほぼ達成し、注目を集めている。
■産業供給を主戦場に多岐にわたる製品を製造
そもそもこの電源装置は、入力した交流電気を直流電気に変えて出力するなど、電気機器の作動に適した形の電力に変換できるのが特色。電源装置に特化した社歴がこの開発につながった。蓮池一憲CEO(56歳)は「電源装置しかつくれない会社だから」と笑う。現在の取引先は1000社以上に達し、鉄道信号機用や電力・通信インフラ用、さらには電機メーカーの試験用、無人探査機を操作する世界最大級のパラボラアンテナの送受信機用、新元素ニホニウム発見で使用した合成装置用など多岐にわたる。そして「東日本大震災で太陽光パネルや蓄電池と電力網をつなぐ電源装置の需要が高まった」ことで、遠隔監視を標準装備したリチウムイオン電池搭載の蓄電システムを開発し、日本全国の工場・事業所・商業施設・学校・病院・庁舎・駅などの電力エネルギー問題を解決している。
■画期的な技術で脱炭素社会への寄与を誓う
さらに、2020年には前出の自家消費最適化制御技術を開発。これは気象庁の予測から発電量を計算し、蓄電と発電を同時調整するという画期的なシステムだ。大手シンクタンクの調べによると、工場や学校、ショッピングセンターといった施設のうち、電気の自家消費に適した建物はおよそ60万軒に上るという。それゆえに「仮にすべての建物に自家消費システムが導入されれば国内の石炭火力発電所の30%を削減でき、CO2排出を大幅に削減できる」と蓮池CEOは力を込める。まさに環境負荷軽減・脱炭素社会の実現に寄与する、唯一無二の電源装置専門メーカーである。
㈱YAMABISHI
東京都大田区大森北2-4-18大森ビル4F TEL:03-3767-8861
設立:1958年 従業員:62名 資本金:3000万円
高巣昭彦さん パナソニック㈱エレクトリックワークス社 マーケティング本部 関東電材営業部 電材営業開発本部 部長
太鼓判押します!
YAMABISHI の電源システムは脱炭素とレジリエンス強化を同時に実現でき、数多くの自治体施設に採用されています。とくにSmartSC による自立運転は太陽光・蓄電池システムをもっとも効率よく活用でき、職員に特殊な知識や作業の必要がなく、極めて高い評価をいただいています。YAMABISHI は納入後も遠隔監視による状況確認・運用のアドバイスを実施することで、自治体にとって心強いパートナーとなっています。
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本記事は地域における〝産業栽培〟をテーマとした月刊『コロンブス』24年3月号に掲載されています。同誌では毎号、全国12エリアの元気企業・躍進企業の記事を掲載‼ ぜひご一読ください。