メジャーリーグでの大谷翔平選手の活躍や2023WBCでの「侍ジャパン」の優勝などの影響もあって野球業界が熱気ムンムン。おかげで日本野球機構(NPB)の2軍リーグである「ファーム・リーグ」や全国各地で親しまれている地元球団から成る「独立リーグ」も負けじと盛り上がっている。2023年秋に3日間にわたって開催された「日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023」では、インターネットのライブ中継動画の延べ視聴回数が280万回以上となった。この数字こそ、独立リーグへの期待感を示すものだ。こうした期待から新球団も生まれている。ヤマエグループ九州アジアリーグにインドネシアやフィリピン、スリランカの選手を主体とした「佐賀インドネシアドリームズ」が誕生したのだ。また、ファーム・リーグには24年からあらたに「くふうハヤテベンチャーズ静岡」(静岡市)と「新潟アルビレックスBC」(新潟市)が加わるなど立てつづけに新風が吹いており、人気急拡大といったところだ。
これら独立リーグやファーム・リーグの特徴は、何といっても地域との結びつきが深く、さまざまな地域活動を積極的に行っていることである。その活動は地域との一体感や住民の愛郷心の醸成、地域コミュニティの交流の活発化、地場企業の担い手人材の確保などにつながっている。というわけで今号では、持続可能な地域社会に大きく貢献する地域密着型のプロ野球リーグ「独立リーグ」と「ファーム・リーグ」の実像と可能性に迫ってみたい。
(つづきは誌面で‼)