小学生の子どもを持つふたりの母親(合同会社ことゆく社の共同代表を務める影山恵氏と和久田麻衣氏)の思いから生まれた新しいコンセプトのランドセル「ことゆくラック」が、地元・静岡県浜松市を中心に人気上昇中だ。その誕生のキッカケは「重いのに荷物が全部入りきらない」というランドセルへの違和感だった。「小学生が毎日の登下校で持つ荷物の重さは平均して7・7㌔㌘といわれている。子どもたちにとっては非常に重荷だし、当然、荷物の量も教科書、ノート、筆箱、体操服、上履き、習字道具、図工道具、水筒と多いため、ときには手さげ袋を持たなければならないこともある」という。この状況に違和感を覚えた影山氏がランドセルに関するリサーチを開始してみると「学校では通学カバンに関して何の決まりもないこと、そして全国の自治体のなかには革や合皮のランドセルを使用していない地域があることがわかってきた」という。
そこで、影山氏と和久田氏は前職でトートバッグやマザーズバッグ、母子手帳ケースなどの企画・デザインを手掛けてきた経験と母親目線を生かし、「子どもたちにとって使いやすく、軽くて大容量、しかもお手軽価格なランドセルをつくろう」と起業を決意、そうして生まれたのがこのことゆく社だ。そして2年がかりで試作品が完成、クラウドファンディングなどを活用して2019年4月に「ことゆくラック」の販売に踏み切ったという。

レギュラーサイズでも大容量
レギュラーサイズとL(ラー ジ)サイズ(3万1900円、カラーは全5 色)の比較。Lサイズは130㌢㍍以上の 身長の児童にオススメ。いずれの商品 にも3年間保証が付いている

ふたりのこだわりが詰まったこのランドセルの特徴はなんといっても770㌘と軽いこと。「撥水加工したこだわりのナイロン生地を用い、本革や人工皮革のランドセルよりも500㌘以上軽くなった」と影山氏。そのこだわりは縫製にもあらわれている。「かばんの街として知られる兵庫県豊岡市の鞄縫製会社に依頼し、丈夫に仕上げてもらった。もちろん、国内縫製なのでメンテナンスにも対応できる」という。
販売については浜松市内のショップやショールーム、イベント出展などで販路を拡大してきたが、現在は「コロナ禍の影響でオンラインショップに力を入れている」と影山氏。しかも「実物を手に取ってもらうためにサンプルを郵送し、無料で一定期間貸し出すといった取り組みも展開している」そうだ。影山氏と和久田氏は「これからも子どもたちが本当に使いやすいランドセルを普及していきたい」と意気込んでいるので、さらなる飛躍を期待したいところだ。