オレンジやグレープフルーツ、甘夏、はっさく、デコポン、文旦などの柑橘類は好きだけど、皮を剥くのが面倒だから食べないという人も多いのではないだろうか。そんな人にピッタリなのがフレッシュデザート㈱のフルーツデザート「まるごと皮むきシリーズ」だ。深谷幸水社長によると、その特徴は「製品特許申請中の『酵こ うそはくひ素剝皮』を用いて、柑橘類の皮を剥き、食べやすく加工したことだ」という。ちなみに、同社は創業6年目、もともとは大手スーパー向けに惣菜やデザートなどを製造していたが、3年前から生のフルーツを使ったデザートに特化した商品を製造・販売しているという。
そのひとつがキウイやマンゴー、パイナップル、メロン、イチゴといったカットフルーツの盛り合わせやフルーツサンド。そのほか、スポンジケーキにカットフルーツ、ホイップクリームやカスタードクリームなどをのせた「フルーツトライフル」などが好評で、スーパーの青果コーナーでは「コロナ禍の〝内食(家庭で食べる食事)〞需要の高まりによって、さらに売り上げを伸ばしている」という。

人気上昇中のチョコバナナシ リーズ 
フルーツサンドシ リーズ。皮むき果実を使うことで、 課題だったドリップ(果汁漏れ)を 解消した

こうした商品づくりにあたって、深谷社長は「手作り感を大切にしながら大手にはできない商品づくりをすすめること」を大切にしているという。また「時流を重んじながら、サイズや数量など顧客の要望に柔軟かつ迅速に応えるようにしている」とも。その方針から生まれたのが丸ごと一本のバナナを使った「まるごとチョコバナナ」と食べやすいサイズの「ひとくちチョコバナナ」だ。さらにフードロス問題の観点から、最近では食パンの耳まで使ったフルーツサンドなども販売している。
これら数ある人気商品のなかでも同社が注力しているのが柑橘類だ。「需要が低下している国産の柑橘類市場の活性化に少しでも貢献したい」という思いから「食品資源のリサイクルによるサーキュラーエコノミー(食品資源循環系)の実現」を推進しているという。「柑橘類の加工では原材料の半分が廃棄処分になっている。そこで、これらをリサイクルして堆肥化し、農家に提供するようにしている」と深谷社長。昨年末には持続的で付加価値の高い食農についてのカンファレンス「フードテック2020」でもその成果を披露し、注目を集めたという。
生活に彩りを与えてくれるフルーツデザートの提供とともにフードロスなどの課題にも取り組むフレッシュデザート。同社のこのような姿勢は今後ますます重要になってくるのではないか。