3年ぶりに初夏の味覚を送り出す
総生産目標は40㌧

2022年産奄美プラム(スモモ)の出発式が3日、主産地の大和村JAあまみ大和支所湯湾釜選果場であった。一昨年度は、記録的な不作により共販とともに見送られ、昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大を考慮し中止された同式が、3年ぶりに開催。参加した生産者や行政、JA担当者らは、収穫量の安定確保、ブランド確立などに期待を込め、テープカットとともに初夏の味覚を送り出した。

村の今年産の総生産目標は、市場への出荷も含め40㌧。村などによると、今期は台風などの影響もなく、生育状況は順調で開花状況も良好だったことから、収穫量は昨年より多くなると、当初見込んでいた。しかし、開花時期に降雨などもあり、歩留まりが悪い園地であることを踏まえ、昨年並みとした。

販売に向けて、同村果樹振興会(藤村秀久会長)のプラムが、昨年度に続き7回目となる県の「かごしまの農林水産物認証(KGAP)」を取得。奄美プラムが「安心安全」の品質保証の元、今年も出荷されることになる。

奄美プラムの選果作業で出荷開始を祝した

出発式でJAあまみ・窪田博州代表理事組合長は、市場の近況として、在日ベトナム人向けの需要が高まり、連日想定外の高値取引がされていると指摘。そして、改めて生産者に向け「湯湾釜選果場に(スモモを)出荷していただきたい」と呼びかけるとともに、「JAの販売先としてベトナム関係のバイヤーの協力のもと、生産量、販売単価を上昇させたい」とあいさつ。

伊集院幼大和村長は、3年ぶりの出発式を祝すとともに「肥料の高騰が続いているが、行政としてしっかり支援していきたい」とし「生産量を問わない『付加価値』がある素晴らしいスモモとして、県のみではなく国に対してもアピールしていきたい」と生産者を激励した。

生産者を代表して藤村会長は「(生産量は)少しずつ回復傾向にあると感じる。貴重な『奄美プラム』を次世代に受け継がせるためにも、今が踏ん張り時。新しい技術を取り入れながら、さらなる回復を目指したい」と決意を述べた。

出荷は、今月末ごろまで続く見込み。12日には、同村まほろば館で「すももフェスタ」を開催し、PR活動を行う予定となっている。

202263日(奄美新聞)