秋田県大館市のご当地ヒーロー・コウライザーのイベント企画・運営等を行う「コウライザープロジェクト」(佐藤龍一夢代表)は17日、市桂城公園で「郷土芸能絆まつり」を初めて開催した。市内の各地域で伝統行事や民俗芸能を受け継ぐ団体が、ステージで演奏や舞を披露して郷土芸能の素晴らしさを伝えた。コウライザーをはじめとした県内外のご当地ヒーローや市内のアーティストもパフォーマンスを行い、会場を盛り上げた。
同プロジェクトは2017年7月、人口減少が進む地域を盛り上げようと佐藤代表がコウライザーを考案したことに端を発する。今年で活動開始から5周年を迎えるに当たり7月に「郷土芸能絆まつり」を企画。クラウドファンディング(CF)で運営資金を募るなど準備を進めてきた。
佐藤代表は「これまでコウライザーの活動を通じて縁があった団体に声をかけた。イベントで伝統の演奏や踊りを多くの人に見てもらうことで大館の郷土芸能の認知度を上げていきたい」と話した。
午前中からあいにくの雨だったが、午後は晴れ間がのぞき多くの家族連れでにぎわった。会場には各種露店やキッチンカーなどが並んだ。ステージでは粕田酒こし舞保存会、粕田獅子踊り保存会、大館ばやし保存会、大館曲げわっぱ太鼓振興会が演奏や演舞を披露。このほかご当地ヒーローショーなどが行われた。
粕田酒こし舞保存会は「粕田酒こし舞」を披露。踊りの前に、旧粕田村の村人がどぶろくの醸成を喜び合う様子を表したものと舞の由来を説明した。同保存会の山内俊隆会長は「伝統芸能を知ってもらうには直接見てもらうのが一番。会で行っている介護施設の慰問などもコロナ禍で中止が続いており、イベントで披露の場があるのはありがたい」と語った。
全国のご当地ヒーローとコウライザーがコラボしたショーも行われた。ヒーローたちが力を合わせて悪の怪人と戦う姿に会場から大きな拍手が湧き起こった。家族4人で舞台を見た笹島陽斗くん(5)=白沢=は「手をたたいて『頑張れ』と応援した。楽しかった」と笑顔。母親の綾香さん(29)は「大館の伝統芸能や名物を盛り込んだ内容で見応えがあった。地域のヒーローを応援できてうれしい」と話した。

2022年7月18日(北鹿新聞)