徳之島ピタヤ研究会の米山寿八郎会長(73)と熊元与八郎さん(60)は11月28日、鹿児島県大島郡の伊仙町役場に大久保明町長を訪ね、20年以上の歳月をかけて開発した徳之島産ピタヤ(ドラゴンフルーツ)の新ブランド「徳之島宝赤(ほうせき)」を商標登録したと報告した。高糖度が特長で、市場流通は2023年度産から。担当者らは「とにかく甘く、有利販売につながる商品。(発売を見据え)生産者の確保、販売戦略を本格化させていきたい」と意気込む。

肉種は米山会長が赤と白、熊元さんが桃の計3種類で登録。沖縄県などから様々な種類の苗を取り寄せ、20数年前から糖度の高い系統の選抜に取り組むなど、開発を続けてきた。通常、ピタヤの糖度は15度といわれるなか徳之島宝赤は17~18度を確保した。19年から開催を続ける東京都内の高級果実専門店での試食会では「今までのより断然おいしい」「味に対するイメージが変わった」など、大きな評価も得ている。

商標登録は昨年12月から手がけ、今年9月16日に完了。大久保町長が「ブレークするのでは」と尋ねると、生産をサポートしてきた県大島支庁徳之島事務所の農業普及課担当者らも「ブームになりつつある。それに乗せていきたい」と手応えを話した。

徳之島宝赤は露地栽培で、現在1.1㌶の畑で生産。品種特性の把握・理解が進んだことから、収穫回数を年5回に増やすなど生産性を高めていく。10㌃当たり2㌧が生産目標。あらたな生産者の確保が当面の課題だが、米山会長は「いい品を提供し、知名度を上げることで生産量も増やしていければ」と話した。

今後はブランド確立に向けたパッケージ制作なども検討。年内には生産者向けの説明会も開く予定になっている。

(奄美新聞 2022年11月28日)