(上写真)同社のエントランス。社名ロゴの下には「MAKE YOUR WILL COME TRUE」の文字が掲げられている

㈱ウィルゲートはベンチャー企業を主な対象に、マーケティングからセールス、M&Aまで分野横断でトータルに経営を支援する企業だ。主にコンサルティングサービスを展開している。

コンサルティング企業は数多くあるが、大半は各分野を専門的に取り扱っており、同社のように複数領域で支援に取り組む企業はめずらしい。創業時は取り扱い分野をマーケティングにかぎっていたが、会社の成長とともに手を広げてきたそうだ。「需要がどこにあるのかを探るマーケティングを経営の入口と考えると、つぎはその需要層にどう売り込むかのセールスの段階に入る、というようにそれぞれの段階にはつながりがあり、各分野を一体的にまとめ上げて支援する流れは必然だった」と小島梨揮CEOは話す。マーケティングひとつとっても、企業のウェブサイトを検索エンジンで上位表示させることを目的としたSEO対策や記事作成の手伝いまできめ細やかに対応し、まさに「かゆい所に手が届く」手厚さを持ち味にしている。また「『人間性』を大事にした経営コンサルティングを心がけている」とも。それは顧客との関係づくりは相手と顔を合わせて意見を出し合う典型的なアナログの世界であり、人間性が試されるからだ。当然、同社では「採用段階でわれわれと価値観を共有できる人材を選び、人間、社会人として魅力的になるよう育てる」と人材育成にも力を入れているという。

和気あいあいとした雰囲気の社内
「ベンチャー企業の可能性を広げたい」と話す小島梨揮CEO

同社は小島CEOの出身地の岡山県で小学校時代から友人で慶應義塾大学でも同窓の吉岡諒COOと共同で起業した。小島CEOは「設立当初は自分の経営者としての未熟さゆえに倒産の憂き目に直面した」と自省するが、危機を乗り越え、「リーズナブルな価格で良質なサービスを提供する」をモットーに、経営コンサルティング企業では後発ながらも順調に成長してきた。
経営ミッションは「一人ひとりの『will』を実現する」こと。小島CEOは「ベンチャー企業の経営を目指す人は誰しも『will』に満ちあふれているが、生産性の向上や売り上げの拡大に苦戦し、人材や事業に十分に投資できないことが多い。私たちはベンチャー企業の前に立ちはだかる課題を解決し、『will』の実現につなげて成長するお手伝いをしたい」と語る。社名の「ウィルゲート」にも「ベンチャー企業の『will』を『gate(門)』に導く」意思があらわれている。
国内の企業は総数で約421万社あるといわれ、中小企業は実にその99.7㌫を占める。小島CEOは「中小・ベンチャー企業の成長を促すことが経済の活性化と社会貢献につながる」といい切る。将来的にはサービスをさらに拡張してワンストップ提供することで、顧客の経営効率と提供価値の向上をはかり、経営の中枢から支援していきたいという。「ベンチャー企業の可能性を広げ、あらゆる挑戦を支援する」――。小島CEOの思いが日本を元気にする。