(上写真)アロエやシークヮーサーの果汁飲料も好評を得ている

沖縄県名護市の㈱沖縄アロエ(湧川英男社長)は、シークヮーサーに含まれ、頻尿抑止効果のある成分「ノビレチン」を高純度で抽出したサプリメント「ノビレチンアミノプラス」の販売に力を入れている。

ノビレチンはポリフェノールの一種で、柑橘類、とりわけシークヮーサーの果皮に多く含有され、頻尿抑止効果のほかに認知症予防効果がある。これまで使い道がなく、廃棄するしかなかったシークヮーサーの果皮から高純度で取り出す技術を取り入れ、2019年に商品化した。湧川社長は「健康サポートだけでなく、果物の搾汁残渣の有効活用にもなり、まさに一石二鳥」と胸を張る。
湧川社長によると、シークヮーサーの果皮にノビレチンが多く含まれていることは以前からよく知られていたが、果皮は柑橘類独特の苦味があって口に合わず、果汁加工で廃棄されるシークヮーサー搾汁残渣として捨てられていたという。このノビレチンを琉球大学の研究チームが10年をかけて果皮から抽出する技術を開発。同社はその技術を実用化した県内の企業と業務提携し、商品化にこぎ着けた。完成した商品は粉末状のスティックタイプで飲みやすく、持ち運びも便利、主にオンラインで販売している。湧川社長は「『ノビレチンアミノプラス』1包当たり、シークヮーサー果汁100㌫原液150~200㍉㍑のノビレチン含有量と同量に値する。抗酸化作用のあるタンゲレチンも含まれるほか、睡眠の質を高めるアミノ酸グリシンも配合し、健康をトータルでサポートする」と話す。ノビレチンの頻尿抑止効果は科学的に裏づけられており、利用者からも「以前は尿意を覚えて夜中に何度も目が覚めていたが、起きずにすむようになった」という声が寄せられている。より詳細なエビデンスなどを収集し、同社は今年中にも「機能性表示食品」の認証取得に取り掛かるという。

「地元農家の経営を支援し、地域経済に貢献したい」と語る湧川社長
沖縄アロエの経営を支える従業員
頻尿防止とフードロス抑制を兼ねる一石二鳥のノビレチンアミノプラス
                        

ノビレチンアミノプラスは地元のシークヮーサー農家の収入アップにも貢献している。これまでは果汁相当分の価格でしか取り引きできていなかったが、ノビレチンアミノプラスのおかげで果皮分の価格が上乗せされるようになったのだ。湧川社長は「当社としても価格アップと全量仕入れを通じて農家の経営を支援し、地域経済に少しでも貢献していきたい」と意気込んでいる。
ところで、同社はアロエとシークヮーサーの果汁飲料の生産・販売で30年を超す実績を持つ。湧川社長は「シークヮーサーミノプラスの販売実績は売り出し初年度の2.5倍に増えたとはいえ、主力の果汁飲料に比べればまだまだ低い。引きつづき知名度を上げて販路を広げ、将来的には看板商品に育てたい」と目を輝かせている。