妻有新聞
1955年創刊。新潟県津南町、十日町市を主エリアとする。
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多様な課題に学生が向き合う高校生研究発表の祭典「第8回高校生国際シンポジウム」(2月21~22日、鹿児島市)で新潟県立津南中等教育学校(関口和之校長)から2個人1チームが出場。全10分野のうち3分野でトップの快挙を成し遂げ、全国から関心が寄せされている。
同シンポには今回、過去最多の29都道府県72校から221者がエントリー。このなかで書類審査をクリアした高校生が本選に出場し、津南中等校からはスライド部門「社会科学・環境・防災」分野に6年生(高校3年)の富井優花さん、ポスター部門「教育分野」に6年生・中澤仁成さん、同部門「人文科学分野」に5学年チーム・ネクサス(上村藍夏、坂口成実、樋口実夏、村山未来)が出場。出場分野でそれぞれ最優秀賞を獲得した。
昨年は同シンポにチームで出場し同校初の最優秀賞を獲得、2年連続出場の富井さんは今回は個人で参加。発表は『未来は変えられる「事前対策による減災」~自分意識を育む防災教育』。すべて英語でステージ発表。自分の命を守る自助、地域コミュニティの共助の意識向上で日常からの防災意識向上を訴えた。スライド部門5分野の最優秀賞者は再プレゼンテーションを行い、シンガポールで行う国際大会参加資格を得るグランプリを決めるが、最終決戦では涙をのんだ。「2年連続の最優秀賞は嬉しいですが、今回はグランプリをめざしており少し悔しいです。昨年はオンライン開催でしたが初めての対面式での大会は緊張しました」。大学進学後も防災研究をつづける。「大学でも防災について学会発表できるようになりたい。そして育ててくれた津南町に恩返しできるような活動もしたいです」と笑顔。
同シンポ初出場で最優秀賞となった中澤くん。発表テーマは『吃音者への合理的配慮の検討』。「まさか最優秀賞を取れるとは思っていませんでした」。ポスター部門は発表者の所に随時審査員が巡る形で行い、すべて英語で発表したため審査員から英語で質問が続いた。「想定してなかった質問は答えにくかったですが、いろんな質問を受けたことで視野が広がりました」。自身も吃音の傾向があることから、大学では障害科学を学ぶことを決めている。「障害科学と教育を結び付けた研究を続け、吃音に悩む方の助けになる活動をしたいと思います」。
一方、チーム・ネクサス。先輩から引き継いだ防災教育のあり方を探究。発表は『「備える」を当たり前に』。震災発生時に自分がどう動くかを物語化し、日常からの防災意識を高める「防災小説」を同学年で実践。さらに豪雪地である妻有地域には「夏とは異なる対応が必要で、積雪期を想定した訓練は必須」と主張。同チームの提言を受け、同校は今月2日に冬季の大地震を想定した地震学習会を初開催。メンバーの進路希望はそれぞれ別だが「探究学習で防災を学び、自分の選択肢が増えたと感じています。みんなで協力し得た全国大会での最優秀賞、とても嬉しい」と話している。
(妻有新聞 2023年3月4日)
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