福島県須賀川市は27日の定例記者会見で「(仮称)道の駅ウルトラアグリパークすかがわ整備構想」について、令和11年度(2029年度)の「道の駅」営業開始を目指す整備スケジュールや土地利用計画図を示した。交流・地域活性化の核となる「道の駅」はトイレを含み約2000平方㍍で、旧産業会館を活用した農業研修所西側に隣接する。市民牡丹庭園や

牡丹苗木ほ場のほか農業用ハウスやソーラーシェアリングほ場、再生エネルギー施設などを整備する。
同整備構想は、農業担い手の確保やエネルギーの地産地消・脱炭素化など地域課題の解決を図るモデル地区を形成するとともに、隣接する須賀川牡丹園など交流・地域活性化の拠点とも連携させることで地域課題の解決と収益確保の両立を図る新しいビジネスモデル創出を目指す。

基本コンセプトに「持続可能な食とエネルギーの地域循環型モデル地区の形成」「公民連携・農商工連携による共創・共栄」を掲げ、農業振興・エネルギーの地産地消と脱炭素化・交流と地域活性化の連携を図る。
農業振興機能はICTを活用した農業用ハウスを2棟、計約9000平方㍍設置し、農業担い手の確保やスマート農業普及拡大を図る。さらに高齢者や障がい者等の就労場所の一つとして農福連携にも取り組むほか、ICTとハウスの組み合わせによって、かつて生産量日本一だったキュウリ産地としての復活、あらたにイチゴ産地化も目指す。

また営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を導入した未来型農業で、エネルギーと食料の自給率向上を同時に実現させる。お米プラスチック・アクアポニックス工場は約3000平方㍍で設置し、市内の耕作放棄地で生産する資源米を活用し、バイオマスプラスチック製品を作る。製品は道の駅での販売や行政でも活用し、資源循環型産業の創出や市民への環境意識醸成を図る。

このほか牡丹苗木ほ場約3000平方㍍、イベント会場、牡丹庭園などを備える。土地利用計画図で示す各施設は整備構想策定参入19社からの提案に基づき、今後の基本計画や企業公募などの状況に応じて変更も。駐車場は一般用265台のほか、臨時駐車場99台、大型バス等7台、キッチンカーポート20台などで、農業振興ゾーンは別途30台分の駐車場を整備する。現在の整備スケジュールは令和5年度に基本計画・概略設計の策定、事業者公募・選定を6年度まで、事前協議や各種整備を10年度までに完了し、11年度の営業開始を目指す。

(あぶくま時報  2023 年3月27日)