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FAで作業効率上げ生産性向上 DXシステム開発し他社にも提供

日本の製造業でのDX導入は約3割ほどにとどまります。人材不足や投資への課題、特定の従業員への集中でブラックボックス化する業務などがDX推進のボトルネックといわれます。生産工程の自動化(FA)や生産データの収集・分析による生産計画や品質管理の最適化は、生産性や品質を向上させるだけでなく、人件費やエネルギー費などのコスト削減、資源や人的リソースの有効活用にもつながります。今回取り上げる企業は、自社のFA化があらたな事業の柱となったいい例だと思います。

■自社ではじめたDX化の成功がきっかけ

製造業を中心として、作業の効率化と生産性向上を目的にDXを取り入れる動きが加速している。金属部品加工業を営む㈱佐竹製作所(尾方謙一社長)もこの潮流に乗り、2019年にFA(ファクトリー・オートメーション)事業部を立ち上げてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のシステムを主に自社で開発し、山形県飯豊町の同社工場で業務の自動化・効率化をすすめている。

具体的にはファックスで受けていた従来の注文の仕組みをデジタル化したことだ。おかげで、従業員が注文書記載の内容をパソコンに打ち直す手間と時間を省くことで5.4時間の作業時間短縮につなげた。ほかにも設計図のデジタル化や受注・在庫状況のコンピュータによる管理などさまざまなDXに取り組み、システムを導入した最初の2年間だけで全社的に30分野の業務で1年間当たり計4,128時間も作業時間を短縮したという。

「小さくてもオンリーワンの存在感を発揮したい」と語る尾方社長
受注をデジタル化したシステムの流れ

■社内改善がいつしかシステム提供できるほどの練度に

「各作業現場の持ち味を生かして現場の声をダイレクトに取り入れたことで、作業実態にマッチしたシステムを開発することができた」と話すのは、同社の金城彪副社長。「基本的に午後3時までに注文を受ければ即日納入できる」体制になったという。

このシステム開発を通じてノウハウが蓄積され、今では他社にもシステムを提供できる水準にまで成長したそうだ。同社製「中小製造業向けDX導入支援サービス」が東京都中小企業振興公社の「中小企業ニューマーケット開拓支援事業」の対象製品に採択されたこともあって、着実に販路が広がっている。

■業務改革は働き方改革にもおよぶ

さらに、同社では近年、このDXによる改革だけでなくさまざまな改革をすすめてきた。たとえば工場内に託児所を設け、子育て世代の従業員が働きやすい職場環境を整えているほか、従業員以外の子どもも受け入れ、地域貢献に一役買っている。また、埼玉県草加市には商社部門の拠点を設置、自社製品はもちろんのこと他社製品の取り引きも手掛け、需給の安定化をはかっている。

金城副社長は今後の展望について「高品質な部品を安定的に生産する体制をシッカリと維持するのが第一。その上でこれまで培ったFAシステムのノウハウを他社に提供するサービス事業に力を入れ、金属加工部門、商社部門につづく第3の事業の柱に育てたい」と話す。製造業におけるDXの牽引役としてより一層の活躍が期待される。

工場の社内託児所は従業員以外の子どもも受け入れ、喜ばれている
副社長の自社採点

白鳥健介さん (公財)東京都中小企業振興公社 事業戦略部販路・海外展開支援課

太鼓判押します!

佐竹製作所は特殊ボルトなどの金属部品加工を得意とする、創業80 年を超える老舗企業です。時代の機微を捉え、現状に甘んずることなく独自技術を磨くことで成長をつづけています。最近では中小製造業全体の活性化に貢献しようと自社のこれまでの知見を生かして中小製造業のDX 支援にも取り組んでいます。中小企業の生産性を向上させようという社会的意義のある試みです。これからも「お客様のなかで一番」のパートナーを目指して挑戦しつづけてほしいと思います。

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