施設老朽化改修や新たな街づくりにおける取り組みの一環として、都市緑化があちこちで行われています。これは、環境機能の向上、生態系保護、住民への憩いの提供、コミュニティ形成や交流促進などさまざまな効果が見込めるからです。また、経済的にも、不動産価値の向上や観光による産業の活性化、健康経済の促進などの経済効果も期待できます。太陽光発電と都市緑化を組み合わせることで相乗効果も見込めます。植物が高温化しやすいパネルの温度を下げ、発電効率を向上させるという研究結果もあります。エネルギーと環境の両面で継続的に社会や都市に貢献していくことができます。この企業はその可能性を視野に入れ、得意とする事業で積極的に街づくりに寄与していこうとしています。

■Jリーグきっかけで向上した芝生管理技術

造園業の森田緑化㈱は芝生の整備を主力事業としている。ゴルフ場や公園などの芝生の保守を請け負っているほか、Jリーグ2部徳島ヴォルティスのホームスタジアムのグラウンドの芝生の管理を10年以上引き受けている。その管理技術には定評がある。3年前、「芝目が揃っているか」「選手が転んでもけがをしないか」「スライディングしてもめくり上がらないか」といったJリーグのグラウンドでの芝生の状態評価で1シーズンの全試合で満点を記録する快挙を成し遂げた。森田真輔社長(42歳)は「こまめなメンテナンスの積み重ねが実を結んだ」と胸を張る。

「芝生のまちをつくりたい」と語る森田社長

■街を憂う想いが芝生整備を通じた街づくりへの想いを強める

同社が芝生整備にこだわる背景には「徳島県は自然に恵まれているが、行政、住民とも緑化に関して関心が薄く、街路樹も公園の植栽も十分に手入れが行き届いていない」という状況がある。たとえば、道路が落ち葉で覆われ地元住民から苦情が寄せられるのを避けるため、行政が街路樹の枝を切り落とす対応に終始してしまい、ほとんど幹しか残っていない状態になっている例が多いそうだ。森田社長はこうした状況を憂い、地元の公園や学校の校庭、幼稚園の園庭に芝を張るのが夢だという。「芝生を裸足で歩くと血圧や血糖値が正常値に近づくなどの効能を伝え、緑化を促進していきたい」と園芸療法の観点からも芝生の大切さを説く。すでに昨年から、障がい者専用の公園と地域のサッカー場の計2カ所を土から芝生に切り替える事業を手掛け、芝生の普及をはかっている。「地域に芝生を広げ、住民が健康でうるおいのある街づくりをしたい」と意欲を燃やす。

■Jリーグきっかけで向上した芝生管理技術

造園業の森田緑化㈱は芝生の整備を主力事業としている。ゴルフ場や公園などの芝生の保守を請け負っているほか、Jリーグ2部徳島ヴォルティスのホームスタジアムのグラウンドの芝生の管理を10年以上引き受けている。その管理技術には定評がある。3年前、「芝目が揃っているか」「選手が転んでもけがをしないか」「スライディングしてもめくり上がらないか」といったJリーグのグラウンドでの芝生の状態評価で1シーズンの全試合で満点を記録する快挙を成し遂げた。森田真輔社長(42歳)は「こまめなメンテナンスの積み重ねが実を結んだ」と胸を張る。

近年は太陽光発電事業にも手を伸ばす

森田社長は「自然のなかに太陽光パネルが連なる光景は景観を損ねるという指摘があるが、私たちはパネルの周りを花や緑で囲んだり、雑草を取り除いたりするメンテナンスをていねいに行い、殺風景さを軽減している」と造園業者の持ち味を生かした整備を心がけている。どうやらこのあたりが森田緑化の強みのようだ。

緑地管理は東京・渋谷のミヤシタパークでも
社長の自社採点

藤村泰之さん ㈱日産サティオ徳島代表取締役社長

太鼓判押します!

森田社長は、森田緑化という147年続く会社の6 代目社長です。緑に関わるさまざまな事業を展開し、得意とする芝管理ではなんとサッカーグラウンドの外部評価で日本一になりました。芝管理という一見、単純にみえる仕事ですが、技術を研鑽することで差別化をはかり、高い付加価値を生み出しています。緑のプロだからこそわかる地域課題や自社施工だからこそできるあらたな事業転換など、ビジネスの奥深さを学べる素晴らしい経営をされています。