新分野開拓を重視、知育玩具から書籍、ペット用品まで

知育玩具などの輸入販売を手掛ける㈱ドリームブロッサムのモットーは、「唯一不変なるものは変化なり」という格言だ。その意は「永遠でいるためには変化しつづけなければならない」ということのようだ。長友キャメロン社長( 50歳)はこのモットーの下、これまで「経営の幹であるコンセプトは変えないが、成熟した市場(レッドオーシャン)には飛び込まず、まだ手つかずの市場(ブルーオーシャン)を切り拓くことを基本スタンスとし、時代を読み取りあらたな需要を掘り起こしてきた」という。

そんな長友社長が率いる同社では、知育玩具のほかに書籍やペット用品などの輸入販売も行っている。主力は知育玩具部門で、売り上げ全体の半分以上を占める。売れ筋は赤ちゃん向けの「ワーリースクイグズ」。赤色、水色、黄色など10カ月頃の赤ちゃんが認識しやすい色の円盤を重ねた米国発玩具で、手で触るとクルクルと回り、遊びながら指先の運動を促すことができる。年間2万個以上売れる人気商品だ。小学生には「ピクシケード・ゲームメーカー」がオススメ。ゲームブックと5色のマーカーを使い、お絵描き感覚でオリジナルゲームを完成させる。プログラミング教育で重視されるトライ・アンド・エラー(挑戦と失敗)を重ね、想像力や論理的思考力、問題解決能力が養える。

書籍部門では、主に英語のテキストを取り扱う。海外の教育機関で実際に使われている全編英語の教科書を、英語力に応じレベル別に取り揃えている。ペット用品も知育系が中心で、新分野開拓を重視する同社の姿勢が表れている。代表例は犬用玩具「トーキング・ペット」。青や赤など4色の押しボタンで構成され、犬が前足で決まった位置のボタンを踏むと「ごはん」、また別のボタンを踏むと「散歩」などと自分の要求を飼い主に伝えることができる。

「ブルーオーシャンで商機を見出したい」と語る長友社長
知育玩具ワーリースクイグズで遊ぶ赤ちゃん

“唯一不変なるものは変化なり”で躍進を続ける

このようにユニークな商品の数々を取り扱ってきたチャレンジ精神が評価され、昨年、同社は地域経済をけん引する宮崎県の次世代リーディング企業にも認定された。長友社長は「皆が欲していてもその存在に気づかなかった製品を探し出し、潜在的な需要を喚起することが私たちの仕事」と胸を張る。これからも同社が変化を恐れることなく躍進しつづけることを期待したい。

小学生にはピクシケード・ゲームメーカーがおすすめ
新事業の掘り起こしに励む従業員

山元 理さん
(公財)宮崎県産業振興機構企業成長促進室 プロジェクトマネージャー

長友社長は「唯一不変なるものは変化なり」「ファーストペンギンより早く」を組織的に実践。国内に普及していない商品やトレンドをいちはやく見つけて導入する「目利き力」と「実行力」が付加価値の源泉であり、国内外のメーカーや出版社との総代理店契約によって安定供給を実現しています。また、スタッフの心理的安全性や柔軟な働き方、女性の活躍にも配慮しながら SDGs やカーボンニュートラルの活動にも取り組み、地域貢献活動にも力を入れています。地方に根ざし、次世代をリードする企業としてさらなる飛躍が期待されます。