例年以上の猛暑に、今年は都市圏を中心に一時的にコメ不足が起こり、コメの価値が再認識された。そうしたなか、北海道洞爺湖町財 田地区で生産されるブランド米、財田米があらためて注目を集めている。財田米はコメの生産量が全国でトップクラスの北海道のなかにあって年間生産量が200t前後と希少性が高い。作付面積も全体で計4200aにかぎられ、生産農家も12軒にとどまる。ほとんどが農家の個人的なルートで販売され、全国的な流通経路に乗らない。口にするには現地の産直所併設の道の駅に出向くか、地元の飲食店で食べるしかなく、プレミアム感が増している。

財田米の品種は主にゆめぴりかとななつぼしの2種。道内にしては比較的温暖な気候ときれいな水、水はけの良い土壌と生育環境に恵まれ、誰もが「おいしい」とうなるほど味の評価が高い。地元では5kg、2500~3500円で出回っている。収穫期は9月で今年も猛暑の影響を受けることはなかったそうだ。

そんな財田米も供給側の生産農家、需要側の消費者とも高齢化がすすみ、安定した需給を次世代に残せるかどうかが課題になっている。そこで生産農家は2022年、財田米ブランド強化推進委員会を設立し、財田米の統一ステッカーの作成や地元の子どもを招いた稲作体験の実施などPRに努めている。委員長の塩田満氏は「減農薬、適正な施肥管理で安心・安全でおいしいコメづくりをつづけながら若い担い手も育て、持続可能な農業を確立したい」と話す。

(問い合わせ)
北海道洞爺湖町(洞爺総合支所)
TEL:0142-82-5111
http://www.town.toyako.hokkaido.jp/takarada/

希少性が高く、「おいしい」と評判の財田米