生成AIの普及や量子コンピュータの開発、自動運転技術の進展などを背景に世界の半導体産業が急拡大をつづけ、経済安全保障における「戦略物資」としての半導体の重要性もますます高まっている。こうしたなか、米中など主要国は半導体のサプライチェーンを自国で構築する動きを強めており、日本政府も国内生産売上高15兆円の目標を掲げて半導体の製造基盤強化を推進している。
世界最大の半導体製造受託企業である台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場が熊本県で2024年末に本格稼働し、今年中には第2工場の着工も予定されている。先端半導体の国産化を目指し北海道で操業するRapidus㈱(ラピダス)はこの7月に回路線幅2㌨㍍の試作品の開発に成功し、27年の量産開始へと歩をすすめている。その他、国内各地で半導体産業が盛り上がりはじめている。はたして地域経済への波及効果はどれほどなのか。工場が立地している地域では、はやくも地価が高騰し、テクニカル人材不足に陥っているという。恩恵が一部地域に偏ることなく、全国の地方創生につなげていけるのか。そこで今号では、各地の半導体産業集積地の実情と、高度人材の育成に向けた取り組みを紹介したい。


