「国民生活および国内産業を持続させ、さらに立地競争力を強化していくためにエネルギーの安定的
で安価な供給が不可欠です」「次世代革新炉やフュージョンエネルギー(核融合発電)の早期の社会
実装を目指します」。高市早苗首相は10月24日の所信表明演説で、次世代エネルギーの早期実現に
意欲を示した。これに呼応して民間による核融合発電の技術開発の動きも活発になっている。核融合
発電の早期実現に前向きな高市首相が自民党総裁に選出されると、株式市場ではすでに関連銘柄へ
の関心が高まっていた。
データセンターの建設ラッシュと
AIの普及で増大
10月4日、高市氏が自民党総裁に選出されると、核融合発電関連の三菱重工業㈱や㈱日立製作所、三菱電機㈱、助川電気工業㈱、古河電気工業㈱、大同特殊鋼㈱などの株価が週明けから激しく反応した。とくに助川電気工業の株価は総裁選から5日後の9日に、週末の終値と比べて3570円高と驚異的な値上がりをみせた。
政府がエネルギー重視の政策に大きく舵を切った背景には、急速な生成AI(人工知能)の普及がある。AIを支えるデータセンターは電力と機器冷却用の水を大量に使う。ニューヨーク・タイムズによると、アイルランドではデータセンターが国内の電力の20㌫以上を消費しているとの指摘もある。
日本も2023年4月に核融合発電を国家事業に引き上げた。政府の科学技術の方向性を示す当時の科学技術政策担当大臣が高市氏だった。米国や英国、ドイツは24年までに相次いで核融合発電の産業化を目標とした国家戦略を策定した。核融合による発電はまだ実現していない。それなのに産業化への国際競争がはじまっているというわけだ。それでは、核融合発電とはどういったものなのだろうか。
(つづきは本誌で)


