欧州では高級食材として流通

海ぶどう養殖場「海ん道(うみんち)」を営む㈱日本バイオテックは「海ぶどうのテーマパーク」。海ぶどう養殖と観光をかけ合わせたビジネスを展開している。まず本業の海ぶどう部門を見ると、陸上に3棟のビニールハウス、100槽の水槽を持つ。山城由希社長(43歳)によると、会社設立後に手作りで槽を完成させ、今日の規模になったと話す。

養殖のポイントは「海水をつねに新鮮で汚れのない状態にすること」だと山城社長。「この海水管理によって味と食感、見た目のツヤ感が増し、質もグーンと上がり、口のなかでとろけるような海ぶどうになった」と。海ん道の海ぶどうを口にした人の多くは「海ぶどうの概念が変わった」と驚くそうだ。こうして育てた「ぷちぷち海ぶどう」を茎のシャキシャキ感を楽しめる「ぷちシャキ海ぶどう」として売り出している。

沖縄や東京の一部スーパーで販売しているほか、飲食店やホテルに卸す。製品は生だけでなく、高濃度塩水漬け技術で2年間の賞味期限を確保した長期保存タイプもある。他方、観光面では海ぶどうの摘み取り体験がメイン。

山城社長は「養殖場を見学した後、自分で摘み取ったり、金魚すくいのようにして収穫した海ぶどうをその場で味わってもらっている」と話す。店では海ぶどうを麺に練り込んだ沖縄そばや白ご飯の上に海ぶどうをふんだんに載せて生卵の黄身を落とした卵かけご飯を食べられる飲食店、海ぶどうを混ぜたソフトクリームを提供するショップが並んでいる。

摘み取り体験も人気
オススメの食べ方は卵かけごはん

ブランドを確立し、海外展開を強化

さらに敷地内にはゲストハウスやバーベキュー施設があり、アウトドアも楽しめるコテージがある。目の前には海が広がり、マリンアクティビティーのメニューも豊富。伝統的な木造帆船「サバニ」で近くの無人島まで行くツアーも。サバニを操船できる漕ぎ手が少なくなり、サバニツアーでは操船の担い手を育てる意味もある、と山城社長。

山城氏は東京生まれで沖縄は父の出身地。もともと実業家を志向し、20代後半のときに沖縄に移り住み、父とともに養殖業をはじめた。将来的にはすでにフランスなど15カ国に輸出している海ぶどうの海外展開を強化する考え。

海ぶどうは欧州では「グリーンキャビア』という名の高級食材として重宝され、フランス料理では珍重されている。価格は国内の3倍の値で流通されているという。「さらに沖縄産の海ぶどうのブランドを確立してインバウンドを呼び込み、このビジネスモデルを成長させたい」と抱負を述べる。

海ぶどうは口のなかでとろける滑らかさ
「海ぶどうとレジャーを融合させたい」と語る山城社長

新里雅樹 さん
(公財)沖縄県産業振興公社

沖縄が誇る海の宝石「海ぶどう」を国内外へ届ける㈱日本バイオテック。海ぶどう養殖を軸に、観光施設「海ん道」を運営し、海ぶどう摘み取り体験やキャンプ、沖縄そばの店なども展開しています。青い海を眺めながら味わう「生海ぶどうソフトクリーム」は絶品!地域とともに成長する企業として人材育成にも力を注ぎ、山城代表の熱意が世界進出を力強く後押しする、今、沖縄でもっとも注目される企業です。