M7.6、1000年に1 度の 大地震で
能登半島を中心に甚大な被害が発生!!
震災に見舞われた輪島港
地震がもたらした漁業への甚大な影響
■強大なエネルギーで大きく動いた海岸線
国土地理院が行った宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」データを用いた解析によると、この地震により能登半島北部の輪島市皆月湾では約4メートルの隆起が検出され、約200メートルにわたる海岸線の変化が観測された。輪島市は最大約2メートル南西に移動し、約1.3メートル隆起した。また、同市の別地点では西方向に最大約1.2メートルの変動が観測された。珠洲市では約90センチメートル南西に移動し、約90センチメートル隆起していたことが確認されている。
一方、東京大学地震研究所の報告では、海岸隆起や津波痕跡が多数確認された。とくに輪島市の地点では約4メートルの隆起があり、海岸線が地震前に比べ最大約200メートル海にせり出したことがわかったとしている。この4メートルの隆起は、本来であれば1年間に1ミリメートルずつゆっくりと隆起するところ、本地震が発生した一瞬で単純計算4000年分もの地殻変動が起こったことになるそうだ。このことから、この地震が非常に稀な現象であったことがわかる。
■強い力で押され、地面が隆起する逆断層が起こった
金沢大学地球惑星コース地震学研究室の平松良浩教授は、この輪島港をはじめとする能登半島北部の海底の隆起は、能登半島北部の日本海側にある逆断層の動きによるものであると分析。日本海側から陸地側に斜めに入った逆断層に力が加わったことによって港湾や砂浜を含む陸側の海底が隆起。海面の水位が下がって港の海底が露出したのではなく、海底が隆起したことで水位が下がったように見えてしまうということだ。
今回の地震では「海岸線が隆起」という表現がよく使われています。
強く押し合う力によって、海にあった活断層の上盤といわれる面が押し上げられた結果によるもの。
いわゆる「逆断層」という現象なのですが、日本で起きた大きな地震にはこの逆断層が多くみられています。
■日本を取り巻くプレートのチカラ
日本は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート及び北米プレートの4枚のプレートが相接していて、太平洋プレートとフィリピン海プレートは日本列島の下に沈み込んでいこうとしています。それらに他のプレートが干渉されて歪みのエネルギーをため込んでいる状況。
つまり、ずっと日本の周りでは「おしくらまんじゅう」だったり、満員電車のような押し合う力がかかりっぱなしの状態なのです。
本誌「月刊コロンブス」でも能登半島地震取材記事掲載中!
本記事は地域における〝産業栽培〟をテーマとした月刊『コロンブス』24年2月号にも掲載されています。同誌では毎号注目の産業ジャンルやキーワードによる特集、全国の元気企業・躍進企業の記事を掲載‼ ぜひご一読ください。