M7.6、1000年に1 度の 大地震で
能登半島を中心に甚大な被害が発生!!

2024年の新年早々に起こった能登半島地震。家屋はなぎ倒され、漁港は隆起で使用不能に。観光地としても知られる輪島朝市通り(石川県輪島市)では大規模な火災が発生し、多くの国民がテレビの前で一帯に広がる火の海に茫然としたはず。一方で能登半島の地形的な問題もあって、発災直後は各種メディアからの報道だけでは現地の状況が把握できず、多くの人がもどかしい思いを抱いた。そうした状況のなか、輪島朝市通りの入口に支局を構える弊誌は東京から記者4名で現地入りし、現地の駐在記者1名と合流した。そこで目にしたのは一面に広がる焼け野原と憔悴しきった住民の顔だった。

震災に見舞われた輪島港
地震がもたらした漁業への甚大な影響

■豊かな漁場が広がる能登沖合

能登半島外浦の沖合は、豊かな天然礁が広がる古くから漁業が盛んな地域。そんな豊かな漁場を持つ輪島港は石川県一の漁師・漁船を有し、海女の数は世界一を誇る、石川県内最大の漁港である。天然フグや高級魚ノドグロで知られるが、漁獲量は、全体で1万1509トン、フグが約342トンに上る。(2018年漁業センサスより)

県内随一を誇った輪島港。その中でも多くの水揚げがあったふぐ(写真はイメージ)

被害が甚大なため、輪島港の漁業再開は当面は難しいとみられている。輪島市漁業協同組合によると、カレイやズワイガニの漁期は、通常であれば1月から4月までと今が旬だが、今年は漁の再開が見直せないため、漁獲量は大幅に減少する見通しだと話す。「能登かき」で有名な七尾市でも多くのカキ棚が破損、養殖のカキが棚から落ちて海底に沈むなど大きな被害を受けた。

時間をかけ育ててきたブランドでもある能登かきも被害を受けた(写真は震災前のもの)
隆起も含め能登の牡蠣育成の環境は大きく変化した(写真は震災前のもの)

地震による被害は、輪島市の漁業だけでなく、能登経済全体に大きな打撃を与えている。輪島港は漁業だけでなく、朝市観光や物流の基地としても重要な役割をはたしており、被害の復旧には、莫大な費用と時間が必要となりそうだ。

輪島という地域ブランドを構築したエコシステムの復旧が待たれる
たくさんの漁船がこの地から漁へ出かける日に向けてできることをやるしかない