M7.6、1000年に1 度の 大地震で
能登半島を中心に甚大な被害が発生!!
2024年の新年早々に起こった能登半島地震。家屋はなぎ倒され、漁港は隆起で使用不能に。観光地としても知られる輪島朝市通り(石川県輪島市)では大規模な火災が発生し、多くの国民がテレビの前で一帯に広がる火の海に茫然としたはず。一方で能登半島の地形的な問題もあって、発災直後は各種メディアからの報道だけでは現地の状況が把握できず、多くの人がもどかしい思いを抱いた。そうした状況のなか、輪島朝市通りの入口に支局を構える弊誌は東京から記者4名で現地入りし、現地の駐在記者1名と合流した。そこで目にしたのは一面に広がる焼け野原と憔悴しきった住民の顔だった。
日本海沿岸の警鐘
能登半島地震と活断層のリスク
■地震予測の難しさと「明日は我が身」という防災意識の重要性
ところで、今回の能登半島地震は以前から予測されていたという。これまでも能登半島での群発地震発生時に専門家から警鐘が鳴らされてきた。群発地震は下図(図-1)のように、能登半島の地下に存在する流体が、能登半島の地下16キロメートルほどまで上昇し、付近にある断層内に流れ込み周辺の活断層を刺激したことが原因といわれ、能登半島沖の海底活断層全体が動くと、マグニチュード7クラスの地震が起こる可能性があると指摘する声もあった。
奇しくも、そうした注意喚起がわずか1年で現実のこととなったことを考えると、日本海沿いに分布する活断層のみならず日本各地にある活断層近辺の自治体はこの際、防災計画を見直し、大地震への備える必要がある。
■助け合いという地域で醸成されるセーフティーネットの大切さ
この度の地震では自治体が設置する避難所を待たず各地域のコミュニティが協力し合い、みずから避難所の運営に当たったケースも多かった。漁師町というということもあって、ここ輪島崎町では、日頃から活発な地域コミュニティが災害時にも大きな力を発揮した。地域コミュニティの形成は平時における地域の活性化、非常時においては強力なセーフティーネットとなることを証明した。災害に対する自助と共助といった視点では積極的なご近所づき合いと地域づくりが重要ではないだろうか。あらためてそう思った。
本誌「月刊コロンブス」でも能登半島地震取材記事掲載中!
本記事は地域における〝産業栽培〟をテーマとした月刊『コロンブス』24年2月号にも掲載されています。同誌では毎号注目の産業ジャンルやキーワードによる特集、全国の元気企業・躍進企業の記事を掲載‼ ぜひご一読ください。